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2026-09-10

店舗内装の防音・騒音対策で失敗しない7つのポイント|壁・天井・床・設備音を施工会社が解説

店舗の内装を考えるとき、「隣の店舗に音が漏れないようにしたい」「個室の会話が外へ聞こえないようにしたい」「上の階や下の階から苦情が来ないか心配」といった相談があります。防音というと、ライブハウスや音楽スタジオのような大きな音を出す店舗をイメージするかもしれません。しかし実際には、クリニックの診察室、買取店の査定スペース、オフィスの会議室、美容室、飲食店など、さまざまな店舗で音への配慮が必要です。また、店舗の騒音は人の話し声だけではありません。空調設備の運転音、厨房機器、給排水、扉の開閉、椅子を動かす音なども、建物を通して周囲へ伝わることがあります。この記事では、店舗内装の防音・騒音対策を考えるときに確認したい7つのポイントを、施工会社の視点で整理します。

ブランド買取店の接客ルームの内装——木目の引戸で仕切った個室に、木目のカウンターと白い椅子2脚、葉柄の壁紙とタイルカーペット(当社施工・なんぼや 二子玉川ライズ店)

防音は「壁を厚くすれば終わり」ではありません

まず知っておきたいのが、音にはさまざまな伝わり方があるということです。壁を通って隣室へ伝わる音もあれば、天井裏を回り込む音、床や建物の構造体を伝わる振動もあります。そのため、「隣との壁に防音材を入れたから大丈夫」とは限りません。

店舗の防音では、どんな音が、どこから、どこへ伝わる可能性があるのかを考えて対策することが大切です。

店舗内装の防音・騒音対策で確認したい7つのポイントの図解——まず何の音を防ぎたいのかを決める・壁だけでなく天井裏からの音漏れも確認する・扉は意外と音が漏れやすい・遮音と吸音を同じものと考えない・床や設備の振動音にも注意する・空調換気の開口部から音が伝わる場合もある・防音工事は着工後より設計段階で考える

① まず「何の音を防ぎたいのか」を決める

防音工事を考えるとき、最初に整理したいのが音の種類です。たとえば、隣室へ会話を聞こえにくくしたい。店内BGMが隣のテナントへ漏れるのを抑えたい。厨房機器の振動を下階へ伝えたくない。外の車の音を店内へ入りにくくしたい。では、必要な対策がそれぞれ違います。

「防音したい」という希望だけでは、どこまで工事すればよいか判断しにくくなります。そのため施工会社へ相談するときは、「どこで発生する、どんな音を、どこへ伝わりにくくしたいのか」まで伝えてください。目的が明確になると、必要以上に大がかりな工事を避けやすくなります。

② 壁だけでなく天井裏からの音漏れも確認する

店舗で個室をつくるときによくあるのが、壁はしっかりつくったのに会話が外へ聞こえてしまうケースです。原因のひとつとして考えられるのが天井裏です。一般的なテナントでは、室内から見ると壁で完全に区切られていても、天井板の上まで壁が続いていない場合があります。すると音が、室内 → 天井裏 → 隣室という経路で回り込むことがあります。

クリニックの診察室やカウンセリングルーム、買取店の査定室、オフィスの会議室など、会話への配慮が必要な空間では特に確認したい部分です。個室をつくるときは、壁の材料だけではなく、壁がどこまで立ち上がっているかも重要になります。

③ 扉は意外と音が漏れやすい

壁をしっかりつくっても、扉まわりから音が漏れることがあります。一般的な扉には、開閉するための隙間があります。壁に比べると薄いため、室内の会話や音が伝わりやすい部分でもあります。そのため防音性を重視する個室では、扉そのものの仕様。扉と枠の隙間。扉の下部。なども含めて考えます。

ただし、すべての個室へ高性能な防音扉を採用する必要はありません。たとえば、「完全に会話を聞こえなくする必要はないが、内容までは分からない程度にしたい」というケースもあります。必要とする防音レベルに合わせて仕様を決めることで、工事費とのバランスを取りやすくなります。

④ 「遮音」と「吸音」を同じものと考えない

防音を検討するときによく出てくるのが、遮音と吸音という言葉です。簡単に考えると、遮音は、音を外へ通りにくくすること。吸音は、室内で音が反響するのを抑えること。です。

たとえば、壁へ吸音材を設置すると室内の響きは改善しても、隣室への音漏れが十分に減るとは限りません。反対に遮音性を高めても、店内の壁・床・天井が硬い材料ばかりだと、声が反響して騒がしく感じることがあります。飲食店で、「お客様が増えると店内が急にうるさく感じる」という場合は、外への音漏れだけでなく室内の反響が関係していることもあります。防音を考えるときは、外へ出る音と、室内で響く音を分けて考えることがポイントです。

⑤ 床や設備の「振動音」にも注意する

音は空気だけを伝わるものではありません。椅子を引く音。物を落とす音。厨房機器の振動。室外機や設備機器の運転。こうした振動がや壁、建物の構造体へ伝わることがあります。特に上階の店舗では、下のテナントへの影響を確認したいところです。

床材を柔らかくすればすべて解決するわけではありません。発生源となる機器の下に対策を行ったり、機器の設置方法を見直したりする必要がある場合もあります。設備音については、機器を設置してから対策するより、機器の種類と設置位置が分かる設計段階で検討するほうが進めやすくなります。

⑥ 空調・換気の開口部から音が伝わる場合もある

店舗の壁や天井には、空調や換気のための設備があります。個室を完全に壁で囲っても、空調や換気が必要です。そこで注意したいのが、ダクトや開口部を通した音の伝わりです。たとえば隣り合う部屋で同じ天井裏や設備経路を利用していると、そこから会話が伝わることがあります。

一方で、「音を漏らしたくないから換気口をなくす」というわけにはいきません。店舗として必要な空調・換気性能を確保しながら、音への配慮も行う必要があります。そのため、防音性が必要な部屋では、内装・空調・換気を別々の工事として考えないことが大切です。既存記事「店舗物件の契約前に確認したい設備条件」でも、空調・換気は物件契約前から確認しておきたい設備として解説しています。

⑦ 防音工事は着工後より設計段階で考える

防音対策で最も避けたいのが、「店舗が完成してから音が気になり、追加工事をする」ことです。完成後に壁の中へ材料を追加するには、仕上げた壁を一度解体する必要がある場合があります。天井裏や床への対策も同じです。

それに対して設計段階なら、壁の仕様。天井までの納まり。扉。床。設備位置。などをまとめて検討できます。特に、診察室。相談室。会議室。個室。厨房。音の出る機器を置くスペース。がある店舗では、レイアウトを決める段階で音についても施工会社へ伝えてください。

防音性能を上げるほど工事費も上がりやすい

防音工事では、「できるだけ音が聞こえないようにしてください」と希望されることがあります。もちろん対策は可能ですが、一般的に防音性能を高めようとすると、壁・扉・天井・床など工事範囲が広がります。壁を厚くすれば、その分だけ室内も狭くなります。特殊な扉や材料を使えば費用も増えます。

そのため大切なのは、店舗全体を最高レベルの防音仕様にすることではなく、本当に必要な場所へ予算を使うことです。たとえばクリニックなら診察室や相談室を優先する。オフィスなら役員会議室やWeb会議室を優先する。飲食店なら周辺テナントへの影響が大きい場所を優先する。このように場所ごとに必要性を整理すると、予算を組みやすくなります。「店舗内装工事で予算オーバーしたら?」の記事でも、すべての仕様を一律に下げるのではなく、予算をかける場所と抑える場所を分ける考え方を紹介しています。

物件選びの段階で周囲の状況も確認する

防音は内装工事だけで解決する問題とは限りません。物件そのものの条件も重要です。上階・下階には何が入っているか。隣はどのような店舗か。外壁や窓の状態はどうか。建物自体の構造はどうなっているか。夜間まで営業できる建物なのか。こうした条件によっても計画は変わります。

特に大きな音が発生する業態では、物件を契約してから防音方法を考えるより、物件契約前に施工会社へ相談することをおすすめします。店舗の設備条件と同じように、「その物件で希望する営業ができるか」という視点で確認しておくと安心です。

まとめ

店舗内装の防音・騒音対策では、「防音材を入れる」という一つの工事だけで考えないことが大切です。確認したいポイントは次の7つです。

  • どこで発生する何の音を防ぎたいのか決める
  • 壁だけでなく天井裏からの音漏れを確認する
  • 扉や隙間からの音にも注意する
  • 遮音と吸音を分けて考える
  • 床・設備から伝わる振動音も確認する
  • 空調・換気設備からの音の伝わりを考える
  • 完成後ではなく設計段階から対策する

店舗に必要な防音性能は、業種や立地によって違います。すべての音を完全に遮断することを目指すのではなく、店舗の使い方と周囲への影響に合わせて、必要な場所へ必要な対策を行うことが重要です。

カネケンでは、クリニック・物販店・買取店・美容室・飲食チェーン・オフィスなどの店舗内装工事に対応し、設計から施工まで一括でのご相談だけでなく、設計事務所・デザイン会社様の図面から施工のみを行うことも可能です。「個室の会話が漏れないようにしたい」「設備音が周囲へ響かないか確認したい」「物件契約前に防音工事が必要か見てほしい」といった計画段階でも、お気軽にご相談ください。

よくあるご質問

壁に防音材を入れれば音漏れは防げますか?
壁を通って隣室へ伝わる音もあれば、天井裏を回り込む音、床や建物の構造体を伝わる振動もあります。そのため、「隣との壁に防音材を入れたから大丈夫」とは限りません。店舗の防音では、どんな音が、どこから、どこへ伝わる可能性があるのかを考えて対策することが大切です。
遮音と吸音はどう違いますか?
簡単に考えると、遮音は、音を外へ通りにくくすること。吸音は、室内で音が反響するのを抑えること。です。壁へ吸音材を設置すると室内の響きは改善しても、隣室への音漏れが十分に減るとは限りません。防音を考えるときは、外へ出る音と、室内で響く音を分けて考えることがポイントです。
防音工事はいつ相談すればよいですか?
完成後に壁の中へ材料を追加するには、仕上げた壁を一度解体する必要がある場合があります。それに対して設計段階なら、壁の仕様。天井までの納まり。扉。床。設備位置。などをまとめて検討できます。特に、診察室。相談室。会議室。個室。厨房。音の出る機器を置くスペース。がある店舗では、レイアウトを決める段階で音についても施工会社へ伝えてください。

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