結論から言うと、工事内容によっては、営業を続けながら店舗を改装することも可能です。ただし、すべての工事を営業中にできるわけではありません。工事範囲、騒音やほこり、安全性、商業施設のルールなどを確認しながら、「営業中にできる工事」と「休業が必要な工事」を分けることが大切です。
① まず「どこまで改装するか」を整理する
同じ店舗改装でも、工事内容によって必要な期間は大きく変わります。たとえば、壁紙を張り替える。照明器具を交換する。什器を入れ替える。といった部分改修と、壁の位置を変える。床を全面的に張り替える。空調や給排水設備を変更する。店舗全体のレイアウトを変える。といった全面改装では、工事の進め方が違います。
まずは、「今回の改装で絶対に変えたいところはどこか」を整理してみてください。すべてを一度に改装する必要がなければ、工事を何回かに分ける方法もあります。入口まわりは今回。バックヤードは次回。というように工事範囲を分ければ、休業期間を短くできる場合があります。
② 営業中にできる工事とできない工事を分ける
店舗を営業しながら工事をする場合、一番大切なのは安全です。お客様がいる場所で、大きな音や粉じんが出る解体工事を行うことは現実的ではありません。一方で、場所をしっかり区画できれば、営業エリアと工事エリアを分けて施工できる場合があります。
たとえば、店舗の半分を営業スペースとして残し、もう半分を工事する。工事が終わったら営業エリアを移動して、残りを施工する。といった方法です。ただし、工事場所とお客様の動線が交差する場合は、安全管理が難しくなります。工事内容だけではなく、「お客様はどこから入るのか」「スタッフはどこを通るのか」「資材はどこから搬入するのか」まで含めて計画してください(店舗レイアウトの考え方)。
③ 音・ほこりが出る工事は営業時間外にまとめる
営業を続けながら改装する場合でも、すべての作業を営業時間中に行う必要はありません。むしろ、解体。穴あけ。切断。研磨。床材の撤去。など、音やほこりが出やすい作業は営業時間外へまとめる方法があります。閉店後に工事を始め、翌朝の営業開始までに清掃・片付けを行います。昼間は営業し、夜間に工事を進める形です。
ただし、夜間工事ができるかどうかは物件によって異なります。路面店であっても近隣への騒音に配慮する必要がありますし、商業施設では作業可能時間が決められています。「夜なら何でもできる」というわけではないため、管理会社や施設側のルールを先に確認しておくことが重要です。カネケンでも、改装・リニューアルについて営業を止めない工程計画や夜間・短工期の施工に対応しています。
④ 材料と什器は工事前にできるだけ準備する
休業期間を短くしたい場合、実際の工事日数だけを短縮しようとするより、着工する前の準備をどこまで進められるかが重要です。工事を始めてから、「この床材を発注します」「什器をこれから製作します」という状態では、材料待ちの時間が発生します。
そのため、工事開始前に、床材。壁材。照明器具。建具。造作什器。設備機器。などの仕様をできるだけ確定しておきます。特に造作什器や特注品は、製作に時間がかかることがあります。現場では既存部分の解体や設備工事を進め、その間に什器を製作し、最後に搬入・設置する。このように現場以外でできる作業を並行して進めることで、店舗を閉める期間を短くしやすくなります。
⑤ 工事を何期かに分ける方法もある
広い店舗や売場では、一度に全面改装せず、工事範囲を分ける方法があります。たとえば売場をA・Bの2エリアに分け、最初にAエリアを工事。Aエリアが完成したら営業スペースを移動。次にBエリアを工事。という進め方です。この方法なら、店舗全体を完全に閉めずに改装できる可能性があります。
一方で、工事を分割すると、仮設や養生、資材搬入などを複数回行うことになります。そのため、休業による影響を減らせる一方、工事費や工期が必ずしも最小になるとは限りません。完全休業で短期間に施工するほうがよいのか。営業を続けながら工事期間を長めに取るほうがよいのか。店舗の売上や営業形態も含めて比較することが大切です。
⑥ 商業施設では施設側のルールを先に確認する
百貨店、駅ビル、ショッピングセンターなどの店舗改装では、施設側との調整が特に重要です。商業施設では、作業できる時間。資材の搬入時間。搬入に使用するエレベーター。共用部の養生方法。工事前に必要な申請。施設指定業者が行う工事。などが決められている場合があります。
また、営業中の売場改装では、仮囲いの方法やお客様への安全対策について施設側の承認が必要になることもあります。カネケンの物販店・商業施設向けページでも、百貨店・駅ビル・ショッピングセンターでは施設ごとの工事区分や夜間施工など、路面店とは異なるルールがあることを案内しています。また、百貨店売場の改装など、営業を止めない工程にも対応しています。商業施設の改装では、工事内容を決める前に施設の工事規則を施工会社へ共有してください(B工事・C工事の違い)。
⑦ オープン時間だけでなく「営業できる状態」まで考える
夜間工事で注意したいのが、「朝までに工事が終われば営業できる」とは限らないことです。工事後には、清掃。資材の撤去。商品の陳列。什器の位置調整。レジや設備の動作確認。などが必要になります。
たとえば朝10時にオープンする店舗なら、工事を9時59分まで行うことはできません。スタッフが店舗へ入り、営業準備をする時間も確保する必要があります。そのため工程を考えるときは、工事終了時刻ではなく、店舗を通常営業へ戻せる時刻から逆算することがポイントです。これは全面休業して改装する場合も同じです。工事完成後に商品搬入や陳列があるなら、工事終了日とリニューアルオープン日は少し余裕を持って設定したほうが安心です。
「休業ゼロ」にこだわりすぎないことも大切です
営業を止めないことは大切ですが、休業ゼロだけを最優先にすると、工事が複雑になることがあります。営業しながら少しずつ施工することで、結果として工事期間が長くなったり、仮設費用が増えたりする場合もあります。
たとえば、通常営業を続けながら10日間工事する。3日間だけ店舗を休んで一気に工事する。どちらが店舗にとって負担が少ないかは、売上や工事内容によって変わります。施工会社へ相談するときは、「絶対に休業できない」だけではなく、「できれば休業は2日以内にしたい」「定休日と組み合わせられる」「夜間工事なら可能」など、営業側の条件を伝えてください。選択肢が増えるほど、工程を組みやすくなります。
改装工事は「工事期間」より早めの相談が重要です
店舗改装で休業期間を短くするためには、着工してから工事を急ぐより、着工前に準備するほうが効果的です。既存店舗の現地調査。工事範囲の確認。図面作成。仕様決定。材料発注。施設への申請。これらを営業しながら事前に進めておけば、実際に店舗を閉める期間を短くできます。
店舗内装工事の流れでも、工事前には物件確認・見積・実施設計・各種申請などの準備期間が必要としています。リニューアルオープンの日が決まっている場合は、できるだけ早い段階で施工会社へ相談してください。既存設備をどこまで残せるかによっても工事範囲は変わります(居抜きとスケルトンの違い)。
まとめ
店舗を改装するからといって、必ず長期間休業しなければならないわけではありません。工事内容や物件条件によっては、営業を続けながら施工したり、定休日・夜間を利用したりすることもできます。ポイントは、工事を始めてから短縮するのではなく、着工前に「いつ・どこを・どの順番で工事するか」を決めておくことです。
工事範囲を整理し、音やほこりの出る作業を営業時間外へまとめる。材料や什器は事前に手配し、必要に応じて施工範囲を分ける。商業施設なら、施設側との調整も早めに始める。こうした準備によって、営業への影響を抑えながら改装できる可能性が高くなります。
カネケンでは、店舗の新装工事だけでなく、改装・リニューアル、什器の入れ替え、間仕切り変更、設備更新などの部分改修にも対応しています。営業を止めない工程計画や夜間・短工期での施工についてもご相談いただけます。「営業しながら改装できるか知りたい」「休業できるのが数日しかない」「複数店舗を順番に改装したい」といった計画段階でも、お気軽にご相談ください。概算のご相談は無料・即日目安でご回答します。