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2026-10-16

歯科医院の内装工事で確認したいこと|診療ユニット・給排水・レントゲン室の計画を施工会社が解説

歯科医院の開業や移転を考えるとき、「診療ユニットは何台置けるか」「一般的なテナントでも歯科医院にできるのか」といった疑問が出てくることがあります。歯科医院の内装工事では、受付や待合室のデザインだけでなく、診療ユニットに必要な給排水、エアー、吸引設備、レントゲン室、器具の洗浄・滅菌スペースなど、さまざまな設備を計画する必要があります。特に注意したいのは、診療ユニットを置けるスペースがあっても、必要な配管や設備を設置できるとは限らないことです。物件を契約してから設備条件が合わないと分かると、希望するレイアウトを変更したり、想定していなかった工事が必要になったりする場合があります。この記事では、歯科医院の新規開業・移転・改装を計画するときに確認しておきたいポイントを、施工会社の視点で整理します。

内装工事中の店舗のイメージ——天井に設備の開口と配線が出て、棚と間仕切りの下地が出来た状態。歯科医院では診療ユニットの配管や機器の設置場所を、内装工事の早い段階で決めておく

歯科医院は一般的なクリニックと設備計画が違う

クリニックの内装工事では、診察室や待合室、処置室などのレイアウトを考えます。

歯科医院も基本的な考え方は同じですが、特徴的なのが診療ユニットに関係する設備です。

歯科の診療ユニットでは、電源や給水・排水に加えて、機種や構成に応じて圧縮空気や吸引設備などが必要になります。

さらに、レントゲン撮影設備や滅菌器など、診療内容に合わせた機器も設置します。

そのため、診療室の面積を確保するだけでは、歯科医院として使用できるか判断できません。

床下や天井裏に必要な配管を通せるか、機器の設置場所を確保できるかなど、建物の条件を確認することが重要です。

まず診療ユニットの台数と機種を整理する

歯科医院のレイアウトを考えるとき、最初に確認したいのが診療ユニットの台数です。

たとえば、開業時は3台でスタートし、将来的に4台へ増設したいという計画もあるでしょう。

ここで重要なのは、単純にユニットを置ける面積だけで考えないことです。

診療ユニットは、患者様が座るだけでなく、背もたれを倒して使用します。

その周囲には、歯科医師や歯科衛生士が作業するスペース、器具やワゴンを置くスペースなどが必要です。

また、ユニットの機種によって寸法や必要な設備条件が異なります。

そのため、可能であればレイアウトを確定する前に、導入予定のメーカーや機種を整理しておくと進めやすくなります。

機種が決まっていれば、メーカーから設置図や設備条件を確認し、内装工事の図面へ反映できます。

将来の増設を考えている場合も、あらかじめ配管や電源の準備が必要かを検討しておくことが大切です。

給排水・エアー・吸引設備は床下の納まりが重要

歯科医院の内装工事で、一般的な物販店などと大きく異なるのが、診療ユニットまわりの設備配管です。

診療ユニットには、機種に応じて給水管、排水管、エアー配管、吸引配管などを接続します。

これらを床下へ通す場合、必要なスペースを確保しなければなりません。

特に排水管は、水が流れるように配管ルートや勾配を考える必要があります。

たとえば、診療ユニットを既存の排水接続位置から離れた場所へ配置すると、床下の配管距離が長くなります。

その結果、床を上げる工事が必要になったり、希望する位置へユニットを設置しにくくなったりする場合があります。

また、床下には電気配線なども通るため、それぞれが干渉しないように計画します。

歯科医院では、診療ユニットの配置と給排水・設備配管を別々に決めるのではなく、最初から一緒に検討することがポイントです。

給排水・エアー・吸引設備は床下の納まりが重要の図解——診療ユニットには機種に応じて給水管・排水管・エアー配管・吸引配管を接続し、床下には電気配線も通る。排水管は配管ルートや勾配を考える必要があり、ユニットを既存の排水接続位置から離れた場所へ配置すると床下の配管距離が長くなり、床を上げる工事が必要になる場合がある。診療ユニットの配置と給排水・設備配管は最初から一緒に検討する

コンプレッサー・バキュームの設置場所も確保する

歯科医院では、診療ユニット本体だけでなく、エアーを供給するコンプレッサーや吸引を行うバキューム装置などの設備も必要になります。

これらの機器をどこへ設置するかも、内装計画の重要な部分です。

たとえば、バックヤードや専用の機械室へ設置する場合、機器を置くための面積だけでなく、点検や交換を行うためのスペースも考えます。

また、機器の種類によっては運転音や発熱があるため、診療室や待合室との位置関係も確認しておきたいところです。

機械室を設ける場合は、必要に応じて換気や防音についても検討します。

「機械は空いた場所へ置けばよい」と考えていると、完成後に騒音が気になったり、メンテナンスしにくくなったりすることがあります。

導入する機器の仕様を確認し、配管ルートと設置場所を早めに決めておくと工事を進めやすくなります。

レントゲン室は位置と防護計画を先に決める

歯科医院では、デンタルエックス線装置やパノラマエックス線装置、歯科用CTなどの導入を予定している場合があります。

こうした設備を設置する際には、機器の寸法だけでなく、放射線防護についても確認が必要です。

エックス線診療室では、使用する装置や設置条件に応じて、壁・扉・天井・床などの防護性能を検討します。

そのため、一般的な間仕切り壁と同じように、壁の位置や仕上げだけを決めればよいわけではありません。

また、防護に必要な仕様は装置の種類や設置条件、周囲の部屋の用途などによって異なります。

レントゲン室の位置を決めたあとで防護計画を変更すると、壁や建具などの仕様にも影響する場合があります。

導入予定の装置が決まった段階で、機器メーカーや専門業者と設計条件を確認し、施工図へ反映しておくことが大切です。

なお、診療用エックス線装置の設置には届出などの手続きも関係します。必要な図面や放射線防護に関する資料などについて、管轄保健所へ事前に確認しておくと安心です。

洗浄・滅菌スペースは作業の流れから考える

歯科医院では、診療に使用した器具の洗浄や滅菌を行うためのスペースも重要です。

たとえば、使用済み器具を回収し、洗浄・消毒・滅菌を行い、清潔な状態で保管するという作業があります。

この一連の流れを考えずに収納棚や作業台を配置すると、スタッフが何度も行き来することになったり、清潔な器具と使用済み器具の動線が交差したりすることがあります。

そのため、洗浄・滅菌スペースでは、

  • 使用済み器具を置く場所
  • 洗浄を行う場所
  • 滅菌器を設置する場所
  • 清潔な器具を保管する場所

などを、診療の運用方法に合わせて整理します。

また、洗浄用のシンクや滅菌器など、設置する設備によって必要な給排水や電源も変わります。

洗浄・滅菌スペースは、単に設備を並べる場所ではなく、スタッフが毎日作業する場所です。

具体的な感染対策や器具の取り扱いは医療側の方針に基づいて決め、その作業が行いやすい内装を計画することが重要です。

患者様とスタッフの動線を診療内容に合わせる

歯科医院では、診療ユニットの配置とあわせて、患者様とスタッフの動線も考えます。

患者様は、受付から待合室へ進み、診療室やレントゲン室などを利用します。

一方、スタッフは診療ユニット間を移動したり、器具を取りに行ったり、洗浄・滅菌スペースへ向かったりします。

この動線が複雑になると、患者様を案内しにくくなったり、スタッフの移動が増えたりすることがあります。

また、歯科医院によっては診療ユニットを開放的な空間へ並べる場合もあれば、個室や半個室にする場合もあります。

個室を設ける場合は、プライバシーを確保しやすくなる一方、間仕切りによって空調や換気、照明の配置を調整する必要が出ることがあります。

どちらが適しているかは、診療内容や医院の運営方針によって異なります。

まず診療の進め方を整理し、その動きに合わせて内装を計画することが大切です。

内装工事と医療機器の設置は工程を分けて考える

歯科医院の開業工事では、内装施工会社だけでなく、歯科医療機器のメーカーや販売会社、設備業者など、複数の関係者が工事に関わることがあります。

たとえば、床下配管は内装工事の早い段階で施工しますが、診療ユニット本体の搬入・設置は、床や壁などの工事が進んでから行う場合があります。

ここで重要なのが、どの会社がどこまで工事を担当するかを明確にしておくことです。

配管を内装施工会社が担当し、機器本体の接続をメーカー側が担当する場合もあります。

事前の確認が不足していると、配管位置の調整や追加工事が必要になる可能性があります。

また、医療機器の設置後には、接続や動作の確認なども必要です。

内装工事の完成日だけでスケジュールを考えるのではなく、機器の搬入、設置、調整、関係機関への手続きなどを含めて開院日から逆算することが大切です。

歯科診療所の開設に必要な手続きは、開設主体や所在地、設備の内容などによって異なります。計画段階から管轄保健所へ相談し、必要な申請・届出や確認の時期を整理しておくことをおすすめします。

内装工事と医療機器の設置は工程を分けて考える図解——床下配管は内装工事の早い段階で施工し、床や壁の工事が進んでから診療ユニット本体の搬入・設置、そのあとに接続や動作の確認、関係機関への手続きがある。どの会社がどこまで工事を担当するかを明確にし、内装工事の完成日だけでなく開院日から逆算してスケジュールを考える

居抜きの歯科医院なら工事費を抑えられる?

以前も歯科医院だった物件であれば、既存の配管や設備を利用できる可能性があります。

ただし、歯科医院の居抜き物件だからといって、そのまま新しい診療ユニットを設置できるとは限りません。

前の医院と使用する機器のメーカーや機種が異なれば、接続位置や必要な設備条件が変わることがあります。

また、既存配管の状態や電気設備の容量、機械室の広さなども確認が必要です。

レントゲン室についても、以前の設備に合わせた防護仕様が、新しく導入する装置にそのまま対応できるとは限りません。

居抜き物件を検討するときは、残っている設備の数だけで判断するのではなく、新しく導入する機器に適合するかを確認することがポイントです。

まとめ|歯科医院の内装は機器と設備を先に考える

歯科医院の内装工事では、受付や待合室のデザインに加えて、診療ユニットや医療機器を設置するための設備計画が重要です。

特に、診療ユニットの配置、床下の給排水・エアー・吸引配管、機械室、レントゲン室、洗浄・滅菌スペースは、着工後に変更しようとすると工事範囲が広がる場合があります。

そのため、物件を契約する前やレイアウトを検討する段階から、導入予定の機器と建物の設備条件を確認しておくことをおすすめします。

カネケンでは、クリニック・歯科医院などの医療空間の施工実績があり、設計事務所や医療機器関係者と連携した内装工事にも対応しています。

「この物件で歯科医院を開業できるか確認したい」「診療ユニットの配置に合わせて配管工事を計画したい」「医療機器業者と内装施工会社の工事範囲を整理したい」といった段階でも、図面や物件資料をもとに工事内容を検討できます。

歯科医院の新規開業・移転・改装をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

参考=目黒区/東京都保健医療ポータル

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