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2026-10-20

コインランドリーの内装工事で確認したいこと|給排水・ガス・排気・設備レイアウトを施工会社が解説

コインランドリーの出店を考えるとき、「洗濯機と乾燥機を並べられる広さがあれば開業できる」「無人店舗なので内装工事は簡単そう」と思われることがあります。確かに、コインランドリーは一般的な物販店のように多くの商品棚を設けたり、飲食店のように厨房をつくったりする必要はありません。しかし、実際には大型洗濯機の給排水、乾燥機のガス・排気設備、電気容量、床の強度など、建物側の設備条件が重要になります。特に注意したいのは、洗濯機や乾燥機を置けるスペースがあっても、必要な設備を接続できるとは限らないことです。物件を契約してから給排水や排気の条件が合わないと分かると、機器の台数を減らしたり、想定していなかった設備工事が必要になったりする場合があります。この記事では、コインランドリーの新規出店・改装を計画するときに確認しておきたいポイントを、施工会社の視点で整理します。

設備の配管を外壁の貫通部へ通す作業者のイメージ——腰道具を付けた作業者が、保温材を巻いた配管を壁の穴に通している。コインランドリーでは給排水・ガス・排気・電気など建物側の設備条件が、機器を置ける広さと同じくらい重要になる

コインランドリーは内装より先に機器を決める?

一般的な店舗では、レイアウトを決めてから什器や設備を選ぶことがあります。

一方、コインランドリーでは、導入する洗濯機や乾燥機の種類・台数によって必要な工事が大きく変わります。

たとえば、洗濯乾燥機を中心に配置する店舗と、洗濯機・乾燥機をそれぞれ設置する店舗では、機器の配置や必要な設備が異なります。

また、大型の布団を洗える機器を設置する場合は、機器本体の寸法だけでなく、利用者が大きな洗濯物を出し入れするためのスペースも必要です。

そのため、コインランドリーの内装工事では、まず導入予定の機器を整理し、その設備条件に合わせて店舗のレイアウトを検討することが大切です。

機器のメーカーや型番が決まっていれば、設置図や設備仕様書をもとに、必要な給排水、電気、ガス、排気などを確認できます。

給排水は接続位置だけでなく容量も確認する

コインランドリーの設備工事で、特に重要なのが給排水です。

業務用洗濯機では、機器の仕様や台数に応じて、一定の給水量と排水能力が必要になります。

そのため、物件に水道や排水設備があるからといって、そのまま大型洗濯機を設置できるとは限りません。

たとえば、以前は物販店だったテナントにコインランドリーをつくる場合、既存の給排水設備では必要な条件を満たせないことがあります。

確認したいのは、水道管の口径や供給能力、排水管の口径、排水先、配管ルートなどです。

特に複数の洗濯機から排水する場合は、機器メーカーが指定する排水条件を確認し、必要に応じて排水設備の計画を行います。

また、洗濯機の配置によっては床下へ配管を通す必要があります。

排水管は適切に水が流れるように施工する必要があるため、既存の排水接続位置との距離や床下スペースも関係します。

「機器を並べられるか」だけではなく、「機器を接続できるか」を物件契約前に確認しておくことが重要です。

給排水は接続位置だけでなく容量も確認する図解——確認したいのは、水道管の口径や供給能力、排水管の口径、排水先、配管ルート。複数の洗濯機から排水する場合は機器メーカーが指定する排水条件を確認し、必要に応じて排水設備を計画する。洗濯機の配置によっては床下へ配管を通す必要があり、既存の排水接続位置との距離や床下スペースも関係する。「機器を並べられるか」だけではなく「機器を接続できるか」を物件契約前に確認する

ガス乾燥機は排気ダクトと給気も考える

コインランドリーでは、ガスを熱源とする乾燥機が使用されることがあります。

ガス乾燥機を設置する場合は、ガスの供給能力だけでなく、乾燥機からの排気をどこへ出すかも重要です。

たとえば、乾燥機を店舗の奥に配置した場合、外部へ排気するためのダクトが長くなることがあります。

ダクトを通すための天井裏スペースが不足していたり、外壁に排気口を設けられなかったりすると、希望する位置に機器を設置できない場合があります。

また、排気設備を計画するときは、必要な給気もあわせて考える必要があります。

乾燥機の排気量に対して給気が不足すると、機器の運転や室内環境に影響する可能性があります。

排気口の位置についても、近隣建物や歩行者、周囲への熱や騒音などを考慮しなければなりません。

特にテナントビルでは、外壁に新しく排気口を設ける工事が認められない場合もあります。

乾燥機の台数を決める前に、ガスと排気の条件を確認しておくと、レイアウトを検討しやすくなります。

ガス乾燥機は排気ダクトと給気も考える図解——乾燥機を店舗の奥に配置すると外部へ排気するダクトが長くなり、天井裏スペースが不足したり外壁に排気口を設けられなかったりすると希望する位置に機器を設置できない場合がある。排気量に対して給気が不足すると機器の運転や室内環境に影響する可能性がある。排気口の位置は近隣建物や歩行者、周囲への熱や騒音を考慮し、テナントビルでは外壁に新しく排気口を設ける工事が認められない場合もある。乾燥機の台数を決める前にガスと排気の条件を確認する

電気容量は洗濯機以外の設備も含めて考える

コインランドリーでは、洗濯機や乾燥機のほかにもさまざまな電気設備を使用します。

たとえば、照明、空調、防犯カメラ、両替機、決済端末、通信機器などです。

また、業務用洗濯機や乾燥機には、機種によって三相200Vなどの電源が必要になるものがあります。

そのため、一般的な100Vのコンセントがあれば設置できるとは限りません。

建物側から供給できる電気容量や電源方式、分電盤の状況などを確認する必要があります。

特に注意したいのは、分電盤を交換するだけで電気容量を増やせるとは限らないことです。

建物側の幹線設備などに余裕がなければ、希望する容量まで増設できない場合もあります。

また、無人店舗では、防犯カメラや遠隔監視システム、キャッシュレス決済などの通信設備を導入することもあります。

これらの設備についても、必要な電源やLAN配線を内装工事と一緒に計画しておくと、完成後の追加工事を減らしやすくなります。

大型機器を設置する床は強度と振動に注意する

コインランドリーの洗濯機は、一般的な店舗什器とは異なり、重量があるうえに運転中の振動も発生します。

そのため、床の強度や機器の固定方法についても確認が必要です。

たとえば、店舗の床がコンクリートであっても、導入する機器の重量や運転条件に対して十分な強度があるかは、個別に確認しなければなりません。

特に建物の2階以上に出店する場合は、床の積載荷重や振動が建物へ与える影響を慎重に検討する必要があります。

また、洗濯機を床へ固定する場合は、メーカーが指定する施工条件を確認します。

床下に配管や電気配線が通っている場合は、固定位置との干渉にも注意が必要です。

コインランドリーの物件選びでは、広さや立地だけでなく、大型機器を安全に設置できる建物かどうかを確認することが大切です。

利用者の動線は洗濯物を持った状態で考える

コインランドリーのレイアウトでは、機器をできるだけ多く設置したいと考えることがあります。

ただし、機器の台数だけを優先すると、利用者が使いにくい店舗になる場合があります。

コインランドリーでは、利用者が大きな洗濯物を持ち運んだり、洗濯機から乾燥機へ衣類を移動したりします。

そのため、通路幅だけでなく、機器の扉を開けた状態でも移動しやすいかを確認することが重要です。

特に大型機器では、扉の開閉に必要なスペースが大きくなる場合があります。

また、洗濯物を畳むための作業台や、洗濯物を運ぶカート、待合用の椅子などを設置する場合は、それらのスペースも必要です。

図面上では機器がきれいに並んでいても、実際に扉を開けると通路が狭くなることがあります。

レイアウトを検討するときは、機器本体の寸法だけでなく、扉を開けた状態や利用者が作業している状態まで想定しておくと安心です。

床材や壁材は水・湿気・清掃のしやすさで選ぶ

コインランドリーでは、洗濯物を出し入れする際に床が濡れたり、洗剤や水がこぼれたりすることがあります。

また、乾燥機の運転によって室内の温度や湿度が変化する場合もあります。

そのため、床材や壁材はデザインだけでなく、清掃や維持管理のしやすさも考えて選ぶことが大切です。

たとえば、床には水に強く、日常の清掃がしやすい仕上げを検討します。

ただし、耐水性のある床材を使用すれば、床下への漏水を完全に防げるわけではありません。

水漏れへの対策が必要な場所では、床の構造や防水方法、排水設備なども含めて検討する必要があります。

また、洗濯機や乾燥機の背面は、完成後に清掃しにくくなる場合があります。

機器の配置を決めるときは、清掃や点検のために必要なスペースも考えておくことがポイントです。

無人店舗だからこそ防犯とメンテナンスを考える

コインランドリーは、スタッフが常駐しない形態で営業することがあります。

そのため、日常の清掃や設備点検、防犯などをどのように行うかも、内装計画に関係します。

たとえば、防犯カメラを設置する場合は、入口や機器まわりなど、確認したい場所を整理して設置位置を決めます。

また、清掃用品や補充用の備品を保管する収納スペースが必要になる場合もあります。

洗濯機や乾燥機に不具合が発生したとき、機器の背面や側面に点検スペースがなければ、修理や交換が難しくなることがあります。

機器をできるだけ多く並べることも大切ですが、将来のメンテナンスまで考えたレイアウトにすることが重要です。

特に複数店舗を展開する場合は、機器の配置や清掃用収納、防犯設備などをある程度標準化しておくと、店舗ごとの管理方法を統一しやすくなります。

コインランドリーの開設には保健所への確認も必要

コインランドリーの開設では、店舗の設備工事だけでなく、所在地の自治体が定める衛生管理や届出のルールも確認する必要があります。

たとえば東京都では、コインランドリーなどを対象とした「コインオペレーションクリーニング営業施設の衛生指導要綱」が設けられています。

施設の構造設備や衛生管理、利用方法の周知などについて定められており、新たに営業する場合には保健所への届出が必要です。

ただし、具体的な手続きや施設に求められる条件は、出店する自治体によって異なります。

たとえば東京都中野区では、開設届の提出前に保健所へ事前相談するよう案内されています。

そのため、店舗のレイアウトを確定する前に、管轄保健所へ必要な設備や手続きを確認しておくことをおすすめします。

また、建物の用途や設備条件によっては、建築・消防関係の確認も必要になります。

コインランドリーの居抜き物件はそのまま使える?

以前もコインランドリーだった物件であれば、既存の給排水やガス、電気、排気設備を利用できる可能性があります。

ただし、設備が残っているからといって、新しく導入する機器をそのまま設置できるとは限りません。

前の店舗と機器のメーカーや型番、台数が異なれば、必要な設備条件が変わる場合があります。

また、既存配管や排気ダクトの状態によっては、交換や補修が必要になることもあります。

居抜き物件を検討するときは、残っている設備の数だけで判断するのではなく、新しく導入する機器の仕様に合っているかを確認することが大切です。

まとめ|コインランドリーは物件の設備条件が重要

コインランドリーの内装工事では、洗濯機や乾燥機を設置するための設備計画が特に重要です。

給排水、ガス、排気、電気容量、床の強度などは、物件によって対応できる範囲が異なります。

また、機器の配置だけでなく、利用者の動線や清掃、メンテナンスのしやすさまで考える必要があります。

特に物件契約前の段階では、導入予定の機器を整理し、建物側の設備条件と照らし合わせて確認しておくことをおすすめします。

カネケンでは、店舗の内装工事に加え、給排水、電気、換気などの設備工事を含めた施工計画に対応しています。

「この物件に大型洗濯機を設置できるか確認したい」「機器メーカーの設備図面をもとに工事を検討したい」「既存店舗の設備を更新するため、内装も含めて改装したい」といった段階でも、物件の設備条件や希望するレイアウトを確認しながら工事内容を整理できます。

コインランドリーの新規出店・改装をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

参考=東京都保健医療局「コインオペレーションクリーニング(コインランドリー)」(東京都コインオペレーションクリーニング営業施設の衛生指導要綱)/中野区「中野区コインオペレーションクリーニング営業施設衛生指導要綱」

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