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2026-10-26

トリミングサロンの内装工事で確認したいこと|ドッグバス・給排水・防音・犬の動線を施工会社が解説

トリミングサロンの新規出店や改装を考えるとき、「ドッグバスとトリミングテーブルを置ければ営業できる」「人間の美容室と同じような内装でよい」と思われることがあります。確かに、トリミングサロンと美容室には、シャンプーやカットを行うという共通点があります。しかし、トリミングサロンでは犬の大きさや動き、抜け毛、鳴き声、におい、床の滑りやすさなど、人間の美容室とは異なる点を考える必要があります。また、ドッグバスで使用する給排水・給湯設備や、ドライヤーなどの電気設備も重要です。特に注意したいのは、設備を置けるスペースがあっても、犬やスタッフが安全に移動し、作業できるとは限らないことです。この記事では、トリミングサロンの新規出店・移転・改装を計画するときに確認しておきたいポイントを、施工会社の視点で整理します。

床シートを貼る工事のイメージ——接着剤を櫛目に塗った下地の上に、ロール状の床シートを広げて貼り込んでいる。トリミングサロンでは水が飛び散り抜け毛が落ちるため、滑りにくさ・耐水性・清掃性で床材を選び、ドッグバスまわりは下地や防水まで確認しておくことが内装計画の土台になる

トリミングサロンは犬を預かってから返すまでの流れを考える

トリミングサロンのレイアウトを計画するとき、最初に整理したいのが、犬を預かってから飼い主様へ引き渡すまでの流れです。

一般的なトリミングサロンでは、受付、シャンプー、ドライング、カット、仕上げ、引き渡しといった作業があります。

この流れを考えずに設備を配置すると、スタッフが犬を抱えて何度も移動しなければならなかったり、シャンプー後の犬が受付付近を通ることになったりします。

また、複数の犬を同時に預かる場合は、犬同士が不用意に接触しないようにする配慮も必要です。

そのため、受付と施術スペースをどのように分けるか、犬の移動経路をどこに設けるかが重要になります。

特に入口付近では、扉を開けた際に犬が外へ飛び出さないよう、必要に応じて二重扉やゲートなどを検討します。

トリミングサロンの内装は、人の動線だけでなく、犬の動きも一緒に考えることがポイントです。

犬を預かってから返すまでの流れでレイアウトを考える図解——受付(預かり)→シャンプー(ドッグバス)→ドライング(ドライヤー)→カット(トリミング台)→仕上げ→引き渡しの順に人と犬の両方の動きを追う。受付と施術スペースの分け方(スタッフが犬を抱えて何度も移動しない・シャンプー後の犬が受付を通らない)、犬の移動経路(複数の犬を預かる時に犬同士が不用意に接触しない)、入口の飛び出し対策(必要に応じて二重扉やゲート)

ドッグバスは給排水・給湯の位置から考える

トリミングサロンの設備工事で、特に重要なのがドッグバスまわりの給排水です。

ドッグバスには、犬の大きさや施術方法に応じて、さまざまな種類があります。

小型犬を中心に扱う店舗と、大型犬にも対応する店舗では、必要な設備の寸法や設置方法が異なることがあります。

また、ドッグバスを設置する場合は、給水・給湯・排水の配管ルートを確認する必要があります。

たとえば、既存の排水接続位置から離れた場所へドッグバスを設置すると、床下へ排水管を通すためのスペースが必要になる場合があります。

排水管は適切な勾配を確保して施工する必要があるため、希望する位置へ自由に設置できるとは限りません。

さらに、トリミングサロンでは犬の被毛が排水へ流れ込みやすくなります。

排水設備には、毛を回収するためのヘアキャッチャーなどを設け、日常的に清掃できる構造を検討することが大切です。

また、複数のドッグバスを使用する場合は、同時にお湯を使用することも想定して給湯設備を確認します。

物件契約前にドッグバスの台数や設置位置を整理しておくと、必要な設備工事を把握しやすくなります。

ドッグバスは給排水・給湯の位置から考える図解——排水の配管ルート(既存の排水接続位置を確認・離れた場所に置くと床下に配管のスペースが要る・排水管は適切な勾配が必要で希望の位置に自由に置けるとは限らない)、被毛と排水設備(犬の被毛が排水へ流れ込む・ヘアキャッチャーなどで毛を回収し日常的に清掃できる構造に)、給水・給湯の能力(小型犬中心か大型犬対応かで寸法と設置方法が変わる・複数台なら同時にお湯を使う想定で給湯設備を確認)。物件契約前にドッグバスの台数と設置位置を整理しておくと必要な設備工事を把握しやすい

床材は犬とスタッフの両方が滑りにくいものを選ぶ

トリミングサロンでは、床材の選び方も重要です。

特にシャンプースペースでは水が飛び散ることがあり、施術スペースでは抜け毛が床に落ちます。

そのため、一般的な物販店と同じようにデザインだけで床材を選ぶと、日常の清掃や安全性に問題が出る場合があります。

たとえば、表面が滑りやすい床材では、濡れた状態でスタッフが転倒する危険があります。

また、犬にとっても滑りやすい床は歩きにくく、足腰への負担につながる場合があります。

一方、表面の凹凸が大きすぎる床材では、抜け毛や汚れが入り込み、清掃しにくくなることもあります。

そのため、床材を選ぶときは、滑りにくさ、耐水性、清掃性などを総合的に考えることが大切です。

また、ドッグバスの周囲など日常的に水を使用する場所では、床材だけでなく、下地や防水方法についても確認が必要です。

耐水性のある床材を貼れば、水漏れを完全に防げるわけではありません。

使用する水の量や清掃方法に応じて、床全体の構成を検討することがポイントです。

ドライヤーの使用を考えた電気容量とコンセント計画

トリミングサロンでは、ドライヤーやブロワー、バリカンなど、さまざまな電気機器を使用します。

特に複数の施術台がある店舗では、複数台のドライヤーを同時に使用することもあります。

そのため、コンセントの数だけでなく、店舗全体の電気容量や回路の構成を確認する必要があります。

たとえば、ドライヤーを同時に使用する計画であれば、各機器の消費電力を確認し、必要に応じて専用回路を設けることも検討します。

また、コンセントの位置も重要です。

トリミングテーブルから離れた場所にコンセントがあると、延長コードを床へ這わせることになります。

犬やスタッフが移動する場所にコードがあると、つまずきや引っ掛かりの原因になる場合があります。

そのため、トリミングテーブルやドライヤーの設置位置を決める段階で、コンセントも一緒に計画することが大切です。

さらに、電気機器を使用する場所と水を使用する場所が近い場合は、水濡れへの対策や電気設備の安全性にも配慮する必要があります。

換気・空調は湿気とにおいへの対策も考える

トリミングサロンでは、シャンプーやドライングによって室内の温度や湿度が変化することがあります。

また、犬のにおいやシャンプー剤などのにおいが気になる場合もあります。

そのため、一般的な店舗と同じようにエアコンを設置するだけでなく、換気設備についても検討することが重要です。

空調は主に室内の温度を調整する設備ですが、換気は室内の空気を外部の空気と入れ替えるための設備です。

エアコンがあるから十分に換気できているとは限りません。

特にシャンプースペースやドライングスペースでは、湿気がこもらないようにすることが大切です。

ただし、換気量を増やせば必ず快適になるわけではありません。

必要な給気も確保し、空調とのバランスを考えて計画する必要があります。

また、犬が長時間過ごす場所では、冷暖房の風が直接当たり続けないかも確認しておきたいところです。

犬の体格や被毛の状態によっても適した室内環境は異なるため、店舗の運営方法に合わせて空調・換気を計画します。

鳴き声やドライヤーの音は近隣への影響も確認する

トリミングサロンでは、犬の鳴き声やドライヤーの運転音などが発生します。

特にテナントビルや住宅が近い建物では、周囲への騒音対策も考える必要があります。

たとえば、犬の待機スペースを隣接テナントとの境界壁付近に設ける場合、鳴き声が伝わらないか確認しておきたいところです。

また、ドライヤーの運転音は、壁だけでなく、扉や換気設備の開口部などから伝わることもあります。

そのため、防音対策は壁材だけで判断しないことが重要です。

必要に応じて、間仕切りの仕様や扉の構造、設備の配置などを検討します。

ただし、防音材を使用すればすべての音が聞こえなくなるわけではありません。

建物の構造や周囲の用途によって必要な対策は変わります。

物件を選ぶ際には、賃貸借契約や管理規約でペット関連の営業が認められているか、騒音について制限がないかも確認しておくと安心です。

ケージ・待機スペースは施術台数と一緒に考える

トリミングサロンでは、予約時間や施術の進み具合によって、犬が一時的に待機することがあります。

そのため、施術スペースだけでなく、犬が待機する場所も考える必要があります。

たとえば、トリミングテーブルを増やすために待機スペースを狭くしすぎると、複数の犬を預かったときに対応しにくくなる場合があります。

また、ケージを設置する場合は、犬の大きさや使用方法に合わせた寸法を確認します。

ケージの扉を開いたときに通路をふさがないか、スタッフが犬を安全に出し入れできるかも重要です。

さらに、待機スペースは清掃や消毒を行いやすい場所に設けることが大切です。

犬を一時的に預かる場所と、清掃用品や使用済みタオルなどを保管する場所は、衛生管理の面からも適切に整理する必要があります。

なお、犬や猫を取り扱う事業者には、飼養施設やケージなどに関する基準が設けられています。設備の種類や使用方法によって適用される条件が異なるため、計画段階で確認することが重要です。

第一種動物取扱業の登録を考えた内装計画が必要

トリミングサロンの開業では、内装工事だけでなく、動物愛護管理法に基づく手続きにも注意が必要です。

顧客の犬を預かってトリミングを行う営業形態は、原則として第一種動物取扱業の「保管」に該当し、営業開始前に登録を受ける必要があります。

また、事業所ごとに一定の要件を満たす動物取扱責任者を選任する必要があります。

登録申請では、事業所や飼養施設の平面図などが必要になる場合があります。

そのため、内装のレイアウトを確定する前に、所在地を管轄する自治体へ相談しておくことをおすすめします。

特にケージや待機スペース、洗浄・消毒設備などについては、適用される基準を確認したうえで計画することが重要です。

また、ペットホテルを併設する場合などは、預かる時間や運営方法も踏まえて、施設に必要な条件を確認しておきたいところです。

内装工事が完成してから設備基準に合わないと分かると、間仕切りや設備の変更が必要になる可能性があります。

物件契約前から営業内容と設備計画を整理し、自治体への事前相談を進めることが大切です。

居抜き物件は給排水と床の状態を確認する

以前もトリミングサロンだった物件であれば、既存の給排水設備やドッグバス、空調設備などを再利用できる可能性があります。

ただし、設備が残っているからといって、そのまま使用できるとは限りません。

たとえば、ドッグバスの設置位置が新しいレイアウトに合っていなかったり、既存の給湯設備では必要なお湯の量を確保できなかったりする場合があります。

また、床材や防水部分が劣化している場合は、補修や交換が必要になることもあります。

一般的な美容室や物販店の居抜き物件をトリミングサロンへ変更する場合は、さらに注意が必要です。

既存の水まわりを利用できるかに加えて、犬の安全性や騒音、衛生管理に適した内装へ変更できるかを確認します。

居抜き物件では、残っている設備をすべて使うのではなく、新しい店舗の運営方法に合わせて再利用できるものを判断することがポイントです。

まとめ|トリミングサロンは犬の安全と作業のしやすさを優先する

トリミングサロンの内装工事では、デザインだけでなく、犬の安全性やスタッフの作業環境を考えることが重要です。

特にドッグバスの給排水・給湯、滑りにくい床材、ドライヤーの電気容量、空調・換気、防音、ケージや待機スペースなどは、着工前に確認しておきたい部分です。

また、トリミングサロンでは第一種動物取扱業の登録が関係するため、設備計画と行政手続きを別々に進めないことも大切です。

店舗のレイアウトを検討する段階から、必要な設備と施設の基準を整理しておけば、工事中の変更や追加を減らしやすくなります。

カネケンでは、店舗の内装工事に加え、給排水、電気、空調、換気などの設備工事を含めた施工計画に対応しています。

「既存のテナントをトリミングサロンに改装したい」「ドッグバスに合わせて給排水工事を検討したい」「ペットホテル併設を考えているため、設備や間仕切りを相談したい」といった段階でも、物件の設備条件や希望するレイアウトを確認しながら工事内容を整理できます。

トリミングサロンの新規出店・移転・改装をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

出典:大阪府(第一種動物取扱業の飼養施設・ケージ等の基準について)/船橋市ホームページ(第一種動物取扱業の登録と動物取扱責任者について)

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