駐車場の矢印・ゼブラゾーン・路面標示——寸法の「基準」は無い。通路の幅と、停めてほしくない場所で決めます

公開日: 2026-08-26カネケン京葉コミュニティ株式会社

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駐車場の矢印やゼブラゾーン(斜線の塗りつぶし)について、「寸法の基準はあるのか」「どんな意味で描くのか」「描いたのに逆走される」というご質問をよくいただきます。先に結論を言うと、私有地の駐車場には、路面標示の法定基準はありません。何をどこに描くかは、通路の幅と、停めてほしくない場所で決めます。

このページでは、千葉・東京で駐車場舗装を手がけるカネケン京葉コミュニティ(創業1970年・船橋市)が、矢印・ゼブラゾーン・文字などの路面標示について、決め方と描き方をご説明します。

駐車場の路面標示に「基準」はあるのか

道路に描かれている矢印や斜線には、国の定めた規格があります。ただし、それは公道に描く道路標示の話です。店舗やアパート、月極の駐車場は私有地で、公道の規格は適用されません。矢印の向きに従わなかったからといって交通違反になることもありません。

ですので、「駐車場 矢印 寸法 基準」と調べても、決まった数字は出てきません。無いものを探しているからです。駐車場の路面標示は、法律ではなく使う人に伝わるかどうかで決めるものだと考えていただくと、話が早くなります。

区画線(白線)の幅や区画の大きさについては、ある程度の慣例があります。そちらは「駐車場の区画の寸法」のコラムに書きましたので、区画そのものの話はそちらをご覧ください。ここでは、区画の外に描く矢印・斜線・文字の話をします。

矢印の大きさは、通路の幅で決まります

道路用の矢印は、車が速度を出して走る前提で作られているので、長さが5メートル前後と大きいものです。これを駐車場の通路にそのまま描くと、通路の幅いっぱいに矢印が来て、かえって何を指しているのか分かりにくくなります。

駐車場では、通路の幅に対して矢印の幅が通路の三分の一から半分程度に収まる大きさにすると、運転席から矢印の全体が見えます。長さは、車が通路に入って一台分進むあいだに視界に入る程度で足ります。数字で言うと、通路幅5メートル前後の駐車場なら、矢印の長さは2メートル前後から始めるのが目安です。あくまで目安で、現地で通路の端に立って、車の高さから見て決めるのがいちばん確かです。

矢印を描く位置は、通路の入口と、曲がり角の手前です。まっすぐな通路の途中に何本も描く必要はありません。見た瞬間に「こっちへ進む」が伝わればよいので、多いほど親切というものではないんですね。

ゼブラゾーン(斜線)は「停めない場所」の合図です

斜線で塗りつぶした部分は、道路では導流帯と呼ばれ、車の流れを誘導するための表示です。駐車場では意味を少し広げて、「ここには停めない・入らない」を目で伝える場所として使います。

描く場所ねらい
出入口の前待機や一時停車で出入口をふさがせない
通路の角・曲がり角の内側切り返しのスペースを空けておく
桝・機械・消火設備の周り点検や作業の場所を確保する
車椅子区画の横乗り降りのスペースに車を入れさせない
半端な余り地区画でない場所に停めさせない

幅や斜線の間隔にも決まりはありません。斜線が細かすぎると塗りつぶしに見え、粗すぎると区画線と見間違えます。線の幅を白線と同じにして、間隔を線の幅の三倍から五倍程度で描くと、離れた場所からも斜線として読めます。斜線の向きは、車の進行方向に対して斜めにすると、区画の線と区別が付きやすくなります。

車椅子区画の横の斜線については、区画そのものの寸法とあわせて「車椅子区画の作り方」のコラムに書きました。

「止まれ」「徐行」などの文字は、少ないほど効きます

路面に文字を描くこともできます。「止まれ」「徐行」「出口」「一方通行」などです。文字も矢印と同じで、私有地では法的な効力はなく、伝えるための表示です。

文字で気をつけたいのは、増やしすぎることです。文字が多い駐車場は、どれも読まれなくなります。本当に止まってほしい場所に「止まれ」を一つ、それ以外は矢印と斜線で済ませる、くらいの配分の方が、結果として守られます。

また、文字は運転席から読める向きに描きます。歩行者から見て正しい向きにすると、車からは逆さまです。どちらに向けて描くかを、発注のときに決めておいてください。

矢印だけでは、逆走は止まりません

「矢印を描いたのに逆走される」というご相談は、実はいちばん多いものの一つです。理由は単純で、矢印は見た人にしか効かないからです。夜、雨、慣れた利用者、急いでいる人。路面標示が視界に入らない条件はいくらでもあります。

逆走を止めるには、路面ではなく通路の形で決めるのが基本です。

  • 入口と出口を分けて、出口側に「進入禁止」の立て看板を置く(路面より目の高さの方が見える)
  • 出口側の通路幅を、逆から入りにくい幅にする
  • 車止めの位置で、区画に入る向きを決めてしまう(「車止めの位置」のコラム参照)
  • 区画の角度を斜めにして、逆から入ると停めにくい形にする

矢印は、こうした形の上に「念のため」で描くものです。順番が逆になると、矢印を何本描いても逆走は減りません。

描き方は白線と同じです

矢印・斜線・文字は、いずれも白線と同じ溶融式の材料と工程で描きます。路面を清掃し、下地の接着剤を塗り、加熱して溶かした樹脂を型に沿って流す。白線の正体については「白線の正体」のコラムに書いたとおりで、矢印だからといって材料が変わるわけではありません。

ですので、費用の考え方も白線と同じです。機材の持ち込みが一回分かかるので、白線の引き直しと同時に描くのがいちばん無駄がありません。矢印だけを後から足すこともできますが、その場合は持ち込み分が一回余計にかかります。白線が薄くなっていないか、あわせて見ておくと一回で済みます。

新しく舗装する駐車場であれば、舗装が落ち着いてから白線と一緒に描きます。段取りは「白線引きの流れ」のコラムをご覧ください。

発注のときに決めておくこと

  • 通路の向き(一方通行にするか、対面にするか)
  • 矢印を描く場所(入口・曲がり角の手前)
  • 停めてほしくない場所(斜線にする範囲)
  • 文字を入れるか、入れるなら何を一つだけにするか
  • 文字の向き(車から読む向きか)
  • 白線の引き直しと同時に行うか

この六つが決まっていれば、図にして寸法をお出しできます。決まっていなくても、現地を見れば「ここは斜線にした方がいい」「矢印はここだけで足りる」といったご提案ができますので、現況の写真と、通路の幅(おおよそで結構です)をお送りください。

よくいただくご質問

Q. 駐車場の矢印の寸法に、決まりはありますか。

A. 私有地の駐車場には、法律で定められた寸法の基準はありません。道路用の矢印には規格がありますが、駐車場の通路にそのまま描くと大きすぎることが多く、通路の幅と運転席から見えるかどうかで決めます。当社では現地の通路幅を測ってから、図で寸法をお示しします。

Q. ゼブラゾーンには、どんな意味がありますか。

A. 斜線で塗った部分は「ここには停めない・入らない」の合図として使います。通路の角、出入口の前、機械や桝の周り、車椅子区画の横の乗り降りスペースなどに描きます。私有地では法的な強制力はなく、利用者に見せて守ってもらうための表示です。

Q. 矢印を描いたのに逆走されます。どうすればいいですか。

A. 矢印は見た人にしか効きません。逆走が続く場合は、入口と出口を分けて出口側に「進入禁止」の看板を立てる、通路の幅を狭めて逆から入りにくくする、車止めの位置で向きを決める、といった形の方が効きます。路面標示は補助で、通路の形で決めるのが基本です。

Q. 矢印や斜線だけを追加で描いてもらえますか。

A. 承ります。白線と同じ溶融式の材料と工程で描きますので、白線の引き直しと同時に行うのが最も無駄がありません。単独でも施工できますが、機材の持ち込みが一回分かかるため、白線の状態もあわせてご確認ください。

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このコラムは、千葉の建設会社カネケン京葉コミュニティ(ARCFEELGROUP)が書いています。自社の業務をAIで整えてきた記録を 建設会社のAIブログでも公開しています。